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パースペクティブ オン ハム

Perspective on ham no.01

2023年4月から開始したシリーズ作品『Perspective on Ham』は、大量生産される加工食肉の微細な個体差を探求するプロジェクトである。本作品を通して日常では見えないハムの「表」と「裏」の顔を描き出す。ハムの「表」の顔とは、丸い形、食卓に並ぶ姿、スーパーや販売店での存在など、一般的に想起するハムのイメージである。一方、ハムの「裏」の顔は、工場での製造工程、腐敗の過程、重力の影響、そしてかつて動物であったという事実、つまり肉塊としての存在感など、普段は見過ごされがちなハムのイメージを浮かび上がらせる。本作は、人工物と自然物の間に存在する曖昧なものの表情を個体差を通じて表現し、私たちの生活空間に潜む透明な存在を再認識するための作品研究である。

​2023年4月

『Perspective on Ham no.01』(岐阜県大垣市ワークショップ24 5階)

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同年5月に制作した『perspective on ham no.01』は、毎日4枚入パックのハムをスキャンし、合計120枚のハム画像を連続表示させた映像作品です。 均一に成型された加工食品であるプレスハムの丸い輪郭に着目しました。規格のきまった工業製品であるハムやソーセージは、生産工程の中で食肉を画一化し、流通しやすい状態でスーパーに並んでいます。スーパーの食肉売り場に並ぶハムという記号にも1枚1枚に個体差があり、それらのズレを輪郭の“裕度”と解釈しています。映像表現を用いて、大量生産を前提とした工業製品である加工食肉をモチーフに、作品数を増やし、シリーズ化することで、さらに主題を深めていきます。

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