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ゆらぎの翻訳

ゆらぎの翻訳

2023

audio, visual, installation

もりたあすか

w o r k s
c v

人々が日常的に繰り返す「歩く」という行為(=「歩容」)は、表面上、単調で均質なもののように見える。しかし、その何気ない行為には、誰もが密かに固有性を抱えている。歩容は、時代や様式の移ろいとともに形を変えていく。その背後に浮かび上がるわずかな動きの差異。そこには、目に留まらない小さな事件が息を潜めているのかもしれない。
本作では、「歩容における差異」を抽出することに挑んだ。歩容は年齢や性別、性格、情動をも映し出し、個人の特定さえ可能なほど多面的な情報を有する。そのうち、あえて注目したのが“ゆらぎ”という、歩容における微妙な動きのズレである。これらのズレは、均一性を装う歩行フォームの裏で密やかに起こる「小さな事件」を私たちに示唆しており、モニター上に表示される文字列は、その“ゆらぎ”を翻訳した暗号文とも言える。日常のなかに埋もれた個々の秘密を、私は文字という形へ変換し、密やかに解読している。

プログラミング:美濃佑輝 / 石塚隆 / 平本大輔
歩行協力:浅尾楽/新垣隆海/石塚隆/河合将也/坂本あゆみ/塩澄祥大/新里尚平/平本大輔 /門田健嗣/楊慶新

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