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Observing Variation:

in Sliced Loin Hams

差異の観​スライスロースハム群

​2023年10月

Observing Variation(差異の観測) は, 元は生物であった加工食肉から“生物の痕跡”を取り出し, 観察するプロジェクト。制作を通して発見した事柄を記録し, 展示や本サイトを通して公開している。

本作『Observing Variation: in Sliced Loin Hams』は, スライスハムを被写体に制作した作品群である。スライスハムは均一な製造/加工プロセスを経て, 正円に近いカタチをした匿名的な存在として人々の食生活に溶け込んでいる。スライスハム特有の製造工程や, 物質性, そして1枚1枚の微かな差異に注目し, 均質化されたハムに潜在する “生物の痕跡”を顕在化させ、オーディオビジュアルインスタレーションで展開している。

協力:情報科学芸術大学院大学(IAMAS)

​Special Thanks:カワイタケシ / 美濃祐輝 / 山岸奏大

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記録写真:『"Observing Variation: in Sliced Loin Hams" 差異の観測: スライスロースハム群』岐阜県大垣市ワークショップ24 5階 (2023年10月)

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被写体:朝のフレッシュロースハム(標準4枚入)
ロースハムは日本で生まれた日本特有のハムで
, 「豚のロース(背中)」を丸く整形し, スライス, パッキングした加工食品。スライスされた断面から, 生物が持つ固有性(筋繊維など)を観察できる。スライスハムの原材料である豚肉の輸入国は各地に渡るが, 日本の工場で, 均一な製造/加工プロセスを経て, 生産されるため地域などの固有性のほとんどが薄まり, 差異の少ない匿名的な存在へと変化する。2つの手法を通して, ハムの微かな個体差を抽出し, 広がりを与え, “生物の痕跡”とその多様性を表現する。また, 本モチーフは, 生産・販売数が国内最多であることから, 最も親しみのあるハムともいえる。

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手法1「 スキャン + 連続表示 」

手法2「 加熱  + 形状変化 」

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「“生物の痕跡”」とは 本来生物として持っていた筋繊維などの固有の特性

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「“生物の痕跡”」を観察することでみえてきた「“加工の痕跡”」

「“加工の痕跡”」とは 均一な製造プロセスで後から付与された加工による特有の性質

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 「“生物の痕跡”」「“加工の痕跡”」は, 乖離した特性ではなく混ざり溶け込んでいる。

両者が融合した特性

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